SONY サイバーショット DSC-RX100M3 その2

2015年1月30日

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ちょっと間が空いてしまいましたが、RX100M3のレビューその2をお送りします。
ええ、凄くサボってました(笑)。
た、たまにはいいじゃない!

初代RX100との比較

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そんな訳で、初代RX100も手元にあるので、実際に比較しつつ話を進めていきましょう。
まずは正面から。
左側がRX100M3、右側が初代RX100です。
既にグリップを装着していたり、ストラップがついたままだったりしますが、気にするな!

基本的には、ほぼ同一のデザイン。
むしろ見分けるのが困難なレベル。
コントロールリングが若干小さくなったのと、『Zeiss』のロゴマークがプレートになった程度の違いですね。

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液晶側は、更に違いを探すのが困難であります!
もう間違い探しの気分ですね。

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横向きにして、ようやく違いが見えてきました。
厚みが初代に比べ、5.1mm増えています。
しかしEVFを内蔵、チルト液晶を搭載して、この厚みに抑えられたのであれば御の字でしょう。
コントロールリング自体も厚みが増し、回しやすくなっています。
相変わらずポケットサイズなので、取り回し易さは変わっていません。

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上から見ると、厚みの違いが良く分かると思います。
見た目の差は僅かですが、これを大きいと思う人もいる事でしょうね。
指で挟んでみると、明らかに『厚い』と分かるぐらいの変化です。
基本的なボタン配置は変わっていませんが、EVFを搭載した事によって、内蔵フラッシュが中央に移動。
そしてフラッシュは物理ボタンを使って出すように変更されました。
何気に嬉しい配慮ですね。

初代とM3で一番大きいのは、重量の問題になるでしょうか。
初代は213gと高級コンデジらしくズッシリとしていましたが、M3では更に50g増加しました。
ポケットに入れて持ち運ぶには、この差はかなり大きいです。
実際に胸ポケットに入れて持ち運びましたが、かなりブランブランして正直落としそうで怖かったです。
ネックストラップ等で落下防止をしてから、ポケットに入れるのが無難ですかねー。

EVFについて

前回でもチラッと紹介しましたが、今回はもう少し突っ込んでみたいと思います。

かなり小型のEVFですが、おまけ程度かと思っていたら、普通に実用レベルの完成度でした。
動きがカクついていたり、ピントを合わせる際に一瞬固まったりと不満が無いわけではありませんが、本体に収まる程度の大きさに仕上げて来た事を考えれば、取るに足らない問題ですね。

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明るさ設定はEVF、液晶モニターで独立していて、それぞれでオート、マニュアルで調節できます。
またEVFの色温度が設定出来たりと、何気に高機能です。
もちろんディスプレイの表示内容もそれぞれで設定できます。
視度調整は微調整こそ難しい物の、眼鏡族でも問題なく使う事が出来ました。
必要な機能は一通り入っている感じですね。

欠点は、EVFを仕舞うと同時に電源がOFFになってしまう事。
私はファインダーを仕舞って、再び背面液晶で撮りたいんじゃ!
と言うような場合にも、勝手に電源が切れてしまいます。
是非アップデートで設定を追加して下さい。
また、EVFを使うのにふた手間かかる事もあげられますね。
引き出す行為、と言うのは結構煩わしいので、次回はワンタッチで使えるようにして欲しいなあ。

さて、実際に外で使った感想ですが、炎天下でも普通に使う事が出来ました。
眼鏡を掛けていると全体が見えませんが、まぁ、許容範囲。
手動でピント合わせをしてみましたが、ピント合わせ時の拡大画像はこちらでも有効なので困る事はありません。
拡大すると困る……と言う場合も、ピーキング機能を搭載しているので、全体を見つつ、キッチリとピントを追い込む事が出来ます。
頑張ってるじゃない。

視認性ですが、液晶に比べると断然見やすいです。
ただアイピースがないので、上から横から光が入り込み、一眼レフのような見易さはありません。
それでも反対側の手でEVF付近を覆ってしまえばクッキリ見えるようになるので、液晶だけのタイプとは、やはり使い勝手は違います。
両手で支えられない事での手ブレを心配される人もいるでしょうが、EVFを覗き込むと、必然的にカメラが顔に触れて支えられる格好になるので、それ程心配しなくても良いかと思われます。

ズームによるF値の移行

M3ではF1.8-2.8と言う、ズームレンズとしては驚異的な明るさになります。
望遠端でもF2.8となると、色々と使い道が増えそうな感じです。
では、実際にズームしてみると、F値はどう変わるのでしょうか。
試してみました。

RX100M3 RX100
24mm F1.8   ―――
28mm F2.5 F1.8
35mm F2.8 F2.8
50mm F2.8 F3.2
70mm F2.8 F4.0
100mm  ――― F4.9

ステップズームオンリーですが、以上のような結果となりました。
こうして見ると、初代の利点は『28mmならF1.8で使える』……と言う事。
それ以外では、M3の方が断然有利です。
何せ35mm以降は、F2.8で固定されますからね。
実に使いやすいです。

望遠端の最短撮影距離が30cmになった

旧機に関しては、マクロに弱い……と散々言われています。
と言うのも、広角端の最短撮影距離が5cmなのに対し、そこから少しでもズームすると、途端に寄れなくなるからです。
実際、RX100の望遠端での最短撮影距離は55cm。
テーブルフォトですら厳しい数値です。
では最短撮影距離が短縮された、RX100M3は実際どうなのでしょうか。
フィギュア族らしく、フィギュアを対象にガッチリと比較してみました(笑)。

RX100M3 RX100
mono-2249
焦点距離:24mm、撮影距離:5cm
mono-2254
焦点距離:28mm、撮影距離:5cm

mono-2250
焦点距離:28mm、撮影距離:9cm

mono-2255
焦点距離:35mm、撮影距離:19cm

mono-2251
焦点距離:35mm、撮影距離:16cm

mono-2256
焦点距離:50mm、撮影距離:42cm

mono-2252
焦点距離:50mm、撮影距離:26cm

mono-2257
焦点距離:70mm、撮影距離:47cm
mono-2253
焦点距離:70mm、撮影距離:29cm
mono-2258
焦点距離:100mm、撮影距離:54cm

左側がRX100M3、右側が初代RX100です。
撮影距離は適当に測っているので、実際とは違ったりするかも知れません。
また焦点距離のスタート位置が違うので、ご注意下さいね。

さて。
こうして比較してみた限り、最も寄れるのは双方とも広角端だけ、と言うのが分かると思います。
共にワーキングディスタンスは5cmなので、28mmスタートである初代の方が、マクロ領域では大きく写るようです。
ですが、そこから少しでもズームすると、途端に寄れなくなるのは共通ですね。
初代の寄れなさっぷりは異常。

ただRX100M3の方は、望遠端の最短撮影距離が30cmまで短縮されたため、初代に比べると全体的に大きく写るようになっています。
それでも広角端以外は、マクロ領域の撮影とはとても言えませんね。
正直、もう少し大きく写ると思っていました。
これは思い込みとは言え、ちょっと裏切られたかなー。

また、望遠端だと「このぐらいの距離でピントが合わせらると良い」……と言う位置から少し後退しないとピントが合わないので、後10cm寄れるようになって欲しいと感じました。
どちらにしても、フィギュア撮影向きのカメラではありませんねえ……。
やはり、優秀なスナップ機……と言う使い方が向いているようです。

マニュアル撮影時にISOオートが選べるようになった

実は無印、M2共に、マニュアル撮影時にISOオートは選択できませんでした。
しかしM3で、ようやくISOオートが選択できるようになったようです。
ISOオートがあれば露出の変化に対応できるので、ある程度の動き物にも対処が出来そうですね。

フレキシブルスポットでサイズが選べる

それぞれ名称が違うでしょうが、近年の高級デジカメなら、機種を問わず搭載されている機能です。
フォーカスエリアを自分で移動させ、狙った場所で直接AFでピントを合わせる事が出来る機能です。
AFは基本的にピンポイントで狙った場所にピントを合わせるは難しいので、中央一点やAFフレームを指定して撮影を行いますが、この機能があれば構図を決めてからピントを合わせる事が出来るので、何気に便利です。
まぁ、マニュアルで合わせたらいいじゃない、と言われたら反論の余地はないのですが(笑)。

しかし大抵フレームの大きさは固定になりますが、M3ではS、M、Lの3種類のサイズを選択できるようになりました。

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α7辺りから搭載されはじめたのかな?
用途に応じて大きさを変える事が出来るので、色々と便利に使えそうです。

NDフィルターを搭載し、明るい場所でも開放で撮影できるようになった

日差しの強い屋外でF値の小さいレンズで撮影すると、シャッター速度が全然足りず、露出オーバーになる事があります。
その際に必要になるのが、NDフィルターです。
NDフィルターは意図的にSSを落とす事によって、シャッターを開いている状態を長く維持する事が出来ます。
上の例のように、日差しの強い場所で絞りを開けて撮影したい時は勿論、水の流れを動きのある幻想的な状態を写し出したりする事ができるようになるわけです。
NDフィルターの効果は3段分。
オート/ON/OFFから選択できます。

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コントロールリングがスムーズに動くようになった

初代のコントロールリングはかなり固く、指一本で動かせない事もないけど……と言うぐらいでしたが、M3ではかなり改善されています。
指一本でもぬるぬる動きます。
動き過ぎると言う訳でもなく、適度な抵抗もあって、実に良い感じ。
リングの幅が広くなったもの大きいと思います。
また底面の隙間に余裕があるのか、三脚でも干渉しなくなっています。
しっかり改善はされているようですね。

内蔵フラッシュの起動が物理ボタンになった

こちらはそのままですね。

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物理ボタンになったお蔭で、必要な時にすぐに使えるようになりました。
光量は弱いですがバウンスも可能なので、積極的に使えにいけますね。

ちなみに検索してくる人がいるので追記しておきますけど、RX100でのバウンスは

mono1277

こうやって指で押さえて上に向けます。
写真は初代RX100なので、こちらと比べると、中央にフラッシュが移動したRX100M3ではやり辛いかも知れません。
どちらにしてもGNが6と小さいので、余程感度を上げない限りはそれ程使い物にならないとは思います、はい。

白飛びに関して

これは私が以前から気になっていた事です。
初代の画質はコンデジとは思えないほど良質でしたが、異様に白飛びしやすい欠点がありました。
露出を下げれば白飛びは改善されますが、今度は黒潰れが発生すると言う困ったちゃん。
M3になってどうなったかと言うと、かなり改善されているような感じですね。
ただ露出オーバー気味なのは相変わらずで、基本的には露出補正はマイナスにして使うのが良さそうな感じです。

一先ずここまで!