フィギュア撮影の初心者向けに書いてみた その4

2017年5月29日

気付いたら『初心者向けに書いてみた』も第4回を迎えました。
飽きやすい私が良く続いてるものだ・・・。
果たして何処まで続くのか。
それは神のみぞ知る。

さて。
これまでは『こんな感じでセッティングすれば、こう撮れるよー』と、細かい説明は抜きに解説してきましたが、ここからは専門的な話になってきます。
と言うか、専門的な話にせざるを得ません。
え~と・・・頑張って付いてきて下さい(笑)。

 

今まで照明を一灯のみで撮影してきましたが、照明は状況に応じて複数使用する事で、その真価を発揮します。
しかし単純に照明を増やせば良い・・・と言うわけでもありません。

 

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初心者の方にありがちな例・・・になりますが、「照明増やせば綺麗に写せるに違いない+(0゚・∀・) + wktk +」と、照明を増やしてみたはいいけど、何か立体感が無くてガッカリになる図・・・を再現してみました(笑)。
意外と難しくて大変だったYO!

え~、こうなる原因はライトを同じ距離から同じ強さで均等に当てているだけです。
当たり前ですが、のっぺりした絵面になりますね。
こうならないためには、それぞれの照明の役割を理解する事が大事になります。
なるはずです。
なるんじゃないかな?
実は私も勉強中なので余り大それたことは(ry)

 

今回は1灯増やしての、2灯撮影について解説してみます。
複数灯になると照明にはそれぞれに役割が出来るわけですが、2灯の場合は『メインライト』と『フィルインライト』が当てはめられます。
上の写真の例の場合は、両方とも『メインライト』として使ってしまっているわけですね。
では詳しい解説を交えて、実際に撮影をしていってみまっしょい。

今回の撮影機材の配置はこんな感じになります。

 

 

右側のクリップライトが『メインライト』。
手前のRIFA-Fが『フィルインライト』になりますね。
左側の剥き出しの蛍光灯はアクセントライトとして使おうかと思いましたが、どうにもオルタさんには光が強すぎて不自然な感じになってしまうので、今回は使いませんでした。

いい加減ちゃんと背景紙を使えよ。
と自分でも思いますが、設置すると部屋から出られないのよね!
許せ息子よ。
決して手抜きでは・・・ありますけどね、うん。

 

それでは、それぞれの照明の役割をばグダグダと解説してみます。

 

メインライト

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フィギュアの右側からクリップライトで強い光を当てていますが、これが『メインライト』になります。
メインライトは太陽光にあたる照明で、ライティングの中では最も強い光が使われます。
ハイライトとシャドウを強く描き出し、被写体のイメージを決定付けるための重要な役割です。
・・・小難しい事を書きましたが、要するに一番魅せたい場所にメインライトを使う・・・と言う解釈をして貰えば問題ないかと。
ポートレイトだと斜め45度のやや上方の位置に設置するのが定石ですので、今回はそれに倣ってみました。

 

フィルインライト

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『fill in』には『満たす』と言う意味があり、ライティングにおいては『空間を満たす』と言う意味合いになります。
その名の通り、写真全体を明るくし、メインライトが作り出すシャドウ部を補正する役割があります。
メインライトが太陽光であるなら、フィルインライトは環境光の扱いになります。
環境光って何よ?
と言う話になるわけですが、要するには物体に反射された光の事です。
今まで一灯撮影をしてきましたが、その時のレフ板の役割は、このフィルインライトに相当するわけですね。

 

フィルインライトはメインライトによって作られたシャドウ部を掻き消さないように、それよりも光量が弱い必要があります。
尚且つ『柔らかく拡散された状態の均一の光』である必要があるので、ライトバンクは理想的な照明機材になりますね。
残念ながら我が家には昼白色の蛍光灯は100W相当の物しかないので、メインライトよりも距離を離す事によって光量を調節しています。
狭い部屋では苦しいので、今度60Wの物も買っておきます。。。

 

そんな訳で、フィルインライトを配置する場所は、メインライトの影になった部分・・・つまり左側になるわけです。
本当はもう少し左寄りに設置するつもりだったのですが、オルタさんの髪の構造上、双方の光源によって頬に髪の影が落ちて、只でさえ鋭角な顎が更に鋭角になってしまうので止むを得ず(笑)。
ライトを近付けたり離したり上下させたりして、納得するまで位置調整を試みて下さい。

 

フュージョン! ハッ!

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それぞれ照明の効果を確認したら、双方とも点灯。
結果はこんな感じになりました。
左側が少し暗いような気もしますが、まずまずですかねー。

 

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レフ板は使いますか?
はい、使います。
照明だけで狙った所のシャドウ部が補えるとは限らないので、拡散光を効率良く回すにはレフ板は不可欠です。
色々な場所に設置して、じっくり調節してみましょう。
今回はちょっと暗いかなー、と思える左側奥にレフ板を1枚だけ配置。
フィルインライトでカバーしきれない部分が、僅かに改善されていますねー。

 

まだだ! まだ終わらんよ!

さて、オルタさんだけでは何ですので、もう1例用意してみました。
どうでもいいですが、タイトルが段々投げやりになっていきますね(笑)。

今度は被写体を変更して、それに伴い照明の位置も大幅に変更。
ライトは決まった位置に配置するんじゃないんだぜ。
・・・的な事がやりたかったんだと思います、はい。

 

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今度の被写体は照明の位置が難しいので、思い切って照明の位置を変更です。
メインライトを左側側面に配して、フィルインライトは右手前に置きました。
ライトが当たっていない右奥は暗くなるので、レフ板で補います。
ついでに、背景紙も用意してみたよ!
このフィギュアは瞳のデカールが実にテカテカしているので、実によくライトが写り込んでしまいます。
仕方がないので、撮影時に10秒タイマーにセットしてから、瞳の光が少しでも減るように間に物を挟んでみました。

すでにそれぞれの効果は説明済みなので、纏めて効果を見ていきましょう。

 

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メインライト
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フィルインライト
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合体!

 

大体こんな感じになりました。
瞳にライトが入り込まないように顔の部分に影を作ったためか、イマイチ感が漂わないでもないですが、顔の立体感は出ていると思うので良しとしましょう。
後はグラフィックソフトなりで、更に自分好みに追い込んでいけばOKです。

 

以上で2灯ライティングの解説は終わりです。
レフ板ではどうしてもシャドウ部の持ち上げには限界が出ますが、それを自由にコントロール出来るのが2灯の利点ですねー。
ここまで読んでくれた方、お疲れ様でした!

 

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