フィギュア撮影の初心者向けに書いてみた

2017年5月28日

たまにはフィギュアレビューを扱っているサイトらしい事をしてみよう。
そうしよう。
と言う事で、ブツ撮りを始めたばかりの初心者向けに何か書いちゃおうかと思います。
何と言う無謀な。

ちなみにあくまでも、これから撮影を始めよう、または撮影を始めたばかりの人向けの記事です。
すでに自分でサイトを持っているような方には見る価値もありません(笑)。
ほ、本当に見なくていいんだからね!

 

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撮影に慣れてない人がやりがちな光景。
カメラ内蔵のフラッシュ直焚きですね。
私も昔やっていました!
正面から強烈な光を当ててくれますので、顔はのっぺりするわ、立体感が無くなるわ、影が非常に濃く出るわと良い事がありません。
だったらどうすんのよ?

答えは簡単。
フラッシュを使わなければ良いのです。

それでは今回使用する撮影器具を紹介します。
何処の家庭にもある、もしくはすぐに用意できるような道具だけ揃えてみました。
複数の光源を用意するのも煩わしいので、1灯のみを使います。
照明1灯だけで、何処まで撮れるのよ、と言う話に持っていきたい。

 

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フィギュア撮影において、一番肝心なのは照明です。
とは言っても、今回使うのはクリップライト。
別にクリップライトである必要はないのですが、取り回し的に便利ですよね。
ギリギリの小型の物よりは、傘が広めの物の方が向いています。

電球は定番の電球型蛍光灯(昼白色)を使用。
私の部屋のクリップライトは小型の白熱球を使用するタイプの物なので、電球型蛍光灯だとハミ出してみっともない事に。
ちなみに、私が小学生時代の頃から使っている物です(笑)。
20年以上前?
ヤベェ。

今主流のLED電球はどうなんでしょうねえ。
私は電球色のみ買っているので、試した事はないのですが。
ただLED電球は熱を殆ど持たないので、そういった意味で取り扱いがしやすそうです。

始めに書いた通り、今回はこの1灯のみを使います。

 

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レフ板。
光源を反射させる事によって、狙った面を明るくするための機材。
用途によって、白、銀、金、黒等の色がありますが、フィギュア撮影用途に使うなら白か銀ですね。
今回は手に入りやすい、白色オンリーで使っていきます。
市販の物と手作りの物を使っていますが、ぶっちゃけ画用紙を半分に折った物で問題ないです。
自立できれば何でもいい。

 

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ディフューザー。
光源を直接当てると、影が非常に濃く出ます。
そのため被写体と光源の間に挟む事によって、強い光を柔らかく拡散させて弱める効果のある撮影機材の事です。

これは、クリアケースにトレーシングペーパーを1枚挟んだだけのものです。
1枚だけだとペラペラで設置に困るので、クリアケースに挟んでみました。
ただ、それだけ(笑)。

 

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三脚。
必須です。
むしろ無いと、被写体がブレまくります。
必ず用意しましょう。

ちなみに撮影時には、この三脚ではなく、遥かに上の物を使っています。
これだと私の部屋でテーブル上の物を撮影するには、高さが足りないっ・・・!

 

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そして最後にカメラ。
これが無いと話になりませんよね。
一番向いているのはマニュアルでピント合わせがしやすいミラーレス以上のカメラですが、今回はCanonのS95を使います。
この製品自体は高級コンデジの部類に入りますが、特別な機能は何も使っていません。
なので、お手持ちのコンデジで全然構いません。

大体の人が持っているスマートフォンのカメラはどうなの?
と言う話になりますが、スマートフォン付属のカメラは大抵が広角レンズのため、寄ると被写体が歪みます。
またフィギュア撮影を行う環境は、見た目には明るいですが、カメラにとっては非常に暗い状態です。
つまり手ぶれしないようにISO感度を自動でガンガン上げてくれるので、ノイズまみれの写真を量産してくれます。
必ずISOを調整出来て、尚且つ三脚に固定できる物を使いましょう。
つまり、コンデジ以上しかないじゃない!

 

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今回の機材での、実際の撮影現場です。
横着をしたので、スペースの都合上、右上から照明を当てています。
45度の角度が良いみたいですが、ご家庭の環境に合わせてどうぞ!(´;ω;`)

スペースがないので、クリップアームでレフ板とディフューザーをガッチリと固定。
フィギュアの下側にもカメラの画角に被らない程度に、レフ板を角度を付けて差し込んでいます。
これが一応最終形態ですね。
本当は背景紙も使うべきなのですが、手頃な大きさの背景紙は持っていないので、今回は省略。
簡易撮影用に、小さい物が欲しい所ですねえ。

 

カメラ側の設定は、

  • ストロボは発行禁止
  • マクロ設定があるなら、それに切り替えておく
  • ISOは一番低い値にする(S95ならISO80)
  • ズームは50mm以上100mm未満ぐらいにしておく(今回は85mm)
  • 写真のサイズは一番良い画質で頼む

ぐらいを気を付けておけばOKだと思います。
S95はRAWファイルを扱えますが、今回はJpegの撮って出しです。
では実際に撮影をしてみますが、効果を確かめるために、まずは単光で1枚撮ってみます。

 

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クリップライト+ディフューザーでの撮影結果。
フラッシュを炊いた写真と見比べると、違いは一目瞭然ですね。
のっぺりとした印象から、凹凸がはっきりと分かるぐらい立体感が出ています。
しかし単光だと、光の当たっていない部分は暗く落ち込み、表情も冴えない感じ。
こう言う効果で狙って撮る分には構わないのですが、ポートレイト写真としては向きませんよね。
出来るだけ、暗い影は取ってあげたいです。

 

では上の機材に、レフ板を追加投入します。

 

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なんということでしょう。
単光だけの写真(右側)と比べると、暗く落ち込んだ部分が明るくなっているのが分かると思います。
それに伴い、全身に光が回った事によって印象がガラリと変化。
レフ板1枚でこの効果!
素晴らしいですね。

レフ板はフィギュアの向かって左側に配置します。
照明の当たっている方と逆に置くわけですね。
もう少し手前側に配置したかったのですが、流石にカメラと被ってしまうために今回は断念。
狭い部屋ってやーねー。

 

やや左側が暗いですが、印象はかなり良くなり、このままでも十分じゃね?
と言う仕上がりですが、やっぱり顎の辺りの影が微妙に気になってきました。
もう少し何とかしたいですね。

 

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今度はフィギュアの下から、角度を付けてレフ板を配置。
下側から斜めに光が反射するように設置しました。
証明写真を撮る時に、太腿の上に白い布を広げて載せておくと良いと言うアレですね。

どうでしょう?
前の写真と比べると、僅かですが全体的に柔らかくなった感じです。
ただ全身に光が回った分、メリハリが無くなって若干眠い写真になってしまいました。
眠い写真と言うのは、コントラストが低くてクッキリしてない事を指します。
私のサイトだと、サムネイル画像にカーソルを合わせると色が薄くなりますが、眠い写真の極端な例になりますね。
幻想的な感じで、これはこれで悪くないのですけどね。
前の写真と比べると、インパクトが薄くなるのも事実です。

 

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と言う事で、画像編集ソフトでコントラストを上げてメリハリを付けてあげました。
良い感じですね。
カメラ側でコントラストを調整しても良いのですが、微調整が効かないので、こう言ったソフトで弄る方が良いですね。

 

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そんなこんなで最初のフラッシュ写真が、ここまで綺麗になりました。
素晴らしいですね。
更に綺麗に撮りたいなら専門的な機材が必要になってくるわけですが、後は何処まで凝りたいか・・・と言うレベルになってきます。
クリップライトを、ライトバンクに変更するだけでも、まったく変わりますからねえ。
奥が深いです、はい。

 

フィギュア撮影の初心者向けに書いてみた その2
フィギュア撮影の初心者向けに書いてみた その3
フィギュア撮影の初心者向けに書いてみた その4
フィギュア撮影の初心者向けに書いてみた その5
フィギュア撮影の初心者向けに書いてみた その6
フィギュア撮影の初心者向けに書いてみた その7