フィギュア撮影の初心者向きに書いてみた その2
前回だけで終わりだと思った? 思った?
残念ー、まだ続きがありましたー!
・・・ただのウザイ人だな、これじゃあ(笑)。
さて。
前回の記事で、特に専門的な道具を買わなくても、『家にある物+α』で、それなり綺麗に撮影出来る事はお分かり頂けたかと思います。
しかし、あくまでも『それなり』です。
そこから少しだけ機材に手を加えるだけで、撮れる画はまったく変わってきます。
だったら、コンパクトデジタルカメラ(以下、コンデジ)からデジタル一眼(以下、デジイチ)を買えばいいんですね!
「はい、勿論です!」
・・・と言いたい所ですが、だが待て。
まだ新しいカメラに手を出すのは早い!
確かにコンデジからデジイチへステップアップすればスペックが高い分、吐き出す画は綺麗になります。
RAWと言う現像前の生データを直接弄る事によって、撮って出しよりも素晴らしい写真に調整する事は可能です。
が、それはあくまで基本が出来ている場合で、それを疎かにするとコンデジの吐き出す画の方が綺麗でガッカリ・・・と言う事になりかねません。
実際、web掲載レベルのフィギュア撮影に関しては、吐き出される画はコンデジとデジイチで大差ありません。
しかし設定を追い込んだ方の写真は、目が釘付けになるぐらい素晴らしい物があります。
と言う事で、ある程度環境を追い込んでからステップアップしようぜ。
今回は、前回程度では満足のいかなかった人向けの記事になります。
前置きが長くなりましたが、今回は前回と大して違いはありません。
照明に少し手を加えるだけです。
前回の記事ではクリップライトを一灯使いましたが、シェードが小さく、その光源は『点』に過ぎません。
その『点』を『面』にしてやると、撮れる画は劇的に綺麗になります。
余計な物を視界に入らないように出来るミニフォトスタジオのような機材でも同じような効果がありますが、余計な物が付属しすぎで光のコントロールが難しくなるので、最終的には使わなくなります。
簡易撮影用としては便利なのですけどね。
では具体的にどうすれば良いかと言えば、
こう言った照明機材を導入します。
これはライトバンクと呼ばれる物で、ディフューザー越しの面光源を簡単に実現できる照明機材です。
基本的にスタンド付で販売されていて(本体のみでの購入もできます)、自由自在に照射面をコントロールできます。
ただお値段の方も結構するので、お試しとして使ういたい場合は躊躇してしまいますね。
ちなみに写真のソフトライトセットは15,800円で販売されています。
もっと安くて良い物があるかも知れませんが・・・取り敢えず、自分が持っている物じゃないと紹介はし辛いですからね(笑)。
でもちょっと高すぎない?
試してみたいけど、ちょっとねえ・・・。
はい、気持ちは分かります。
が、カメラの撮影機材と言うものは、無駄に高い物です!(血涙)
何でこんな安っぽい物が、こんなに高いんだよ・・・。
と言う例も珍しくありません、ええ。
しかし、こういった機材があれば撮影が捗るのも事実です。
これからも撮影を続けるのであれば、悪い事は言わないから買っておけ!
・・・しかし、今回はあくまでもお試し。
さっくりと自作してしまいましょう。
用意する撮影機材は、前回の記事と同じです。
今回はそれに自作した物を追加します。
用意するのはこちら。
ただのダンボール箱です。
適当なサイズが無かったので少々小さいのが遺憾。
最低でも30cm×30cmぐらいあるといいですね。
ダンボール箱の中を、コピー用紙で覆いつくします(アルミホイルでも可)。
凄い・・・雑です・・・。
何と言うか、もう適当でいいです。
裏地が透けないように、ある程度厚めに覆ってしまいしょうね。
しかし、このダンボール箱だけだと、どうやって固定させるかが課題になります。
私は手持ちのマイクスタンドを利用してみました。
安い上に、普段は背景紙スタンドとして使えるので、お勧めの逸品です。
持ってない人は、何か適当に見繕ってみて下さい。
とにかく、ダンボール箱が空中で固定出来さえすればいいです。
やっぱり雑ですが、ガムテープで落ちないように固定してやります。
ガッチリ固定してやればブームを回すことによって角度も変えられるので、そこそこ使い物になると思います。
耐久性は殆どありませんが、制作費用は殆ど掛かりません。
完成図。
何かそれっぽいでしょ?
普通はこれにディフューザーとしてトレペ等で表面を覆ってやるわけですが、今回は光源を直射させるわけではないので使いません。
ではどうやって照明として使うかと言うと・・・。
クリップライトを天井側に向けて、ダンボール箱の中身を照らしてあげます。
こうすれば反射光が全体的に広がって下側に放射されるので、点から面光源へと早変わり。
光度は落ちてしまいますが、デジカメには余り関係はありませんね。
撮影風景は前回と変わり映えはしません。
と言うか、あえて同じにしてあります。
クリップライトで直射していた物を、自作ライトバンクと入れ替えただけです。
ライトバンクはクリップライトに比べて光面が広いですから、フィギュアの上方からも照らせるように位置を調整してあります。
では、これで実際に撮影してみましょう。
まずはレフ板は使わずに、手作りライトバンク一灯のみで試します。
初っ端から全然違いますね(笑)。
露出が違いますから単純に比較はできませんが、クリップライト+ディフューザーだけの時と比べると、かなり広い面に光が回っているのが分かると思います。
これが道具の力か・・・!
クリップライトの時とは違って照射角が違うので顔に光が回っていませんが、その辺りは照射位置を調節してみて下さい。
今回は、このままいきます。
ではレフ板も使って、上の撮影風景のようにセットしてしまいましょう。
その結果が左の写真。
右側のクリップライト一灯と比べると、影のムラが無くなって実に綺麗な写真に仕上がりました。
色合いが違うのは、ホワイトバランスをオートで撮影しているからですね。。
しかし道具を変えるだけで、ここまで変わるとはびっくりですね。
中々綺麗に撮れないなー、と思っている人は、是非お試し下さい。
さて。
ここで終わっても良いのですが、折角なので本物のライトバンクでも撮影してみましょう。
使用する照明機材はこちら。
フィギュアレビューサイト御用達の、写真電気興業のRIFA-Fです。
お値段は並のライトバンクの倍以上しますが、品質は確かで、非常に扱いやすいです。
安価のライトバンクは生地が薄かったり、細かい操作がやり辛かったり、準備に時間が掛かったりしますが、それらの欠点を克服しているベストバイな照明と言えます。
下手なカメラよりも高いのが難点ですけどね。
左がRIFA-F、右が自作ライトバンクです。
色合い的に自作ライトバンクの方が良く見えてしまいますが、光の回り方は同じぐらいですかねー。
凄いじゃないか、自作ライトバンク。
制作費用数百円の癖にっ。
RIFA-Fの方にレフ板の影が入り込んでしまっていますが、気にしないでっ!
以上、照明に手を加えてみる、でした。
別に前回と大した違いがあるわけではないですが、「道具を変えたらすげーぜ!」的な事がやりたかったのだと思います、うん。
自作であれば出費は極力抑えられますが、撮影後の置き場所に困るし、使い勝手は悪いし、耐久性も低いとデメリットの方が目に付きます。
ライトバンクであれば普段はコンパクトに畳んで仕舞っておけますから、そう言う意味でもちゃんとした道具の方が使い勝手は良いです。
フィギュア撮影を続けたい、と言うのであれば、是非手に入れておきたい撮影機材ですね。
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