【CANON】スピードライト 430EX III-RTを買ってみた
我が家に4台目となる外付けストロボがやって参りました。
大型ストロボの購入としては、3台目となりますね。
1台は、マスター用として買った90EXですし。
さて。
430EXの最新機種です。
ラジオスレーブ……つまり電波通信がCANONのストロボに搭載されたのは、フラグシップ機である600EX。
しかしその後、電波通信対応のストロボは、発売から3年以上の間600EXしかありませんでした。
電波式の多灯撮影をしようと思うと経済的な負担は大きく、例えば600EXを2台、マスターとしてST-E3の最低限の環境で揃えたとしても13万円近い出費を迫られます。
しかし、この430EX IIIが発売した事により、600EXの6割程度の予算で電波通信対応のストロボが手に入れられるようになりました。
なおかつ、430EX III自体が電波通信のマスターとして使えると言うじゃありませんか。
ワイヤレス撮影用に、ストロボがもう一台欲しいと思っていた所なので、飛びついてみました。
果たして、その完成度はいかに。
早速開封していきましょう。
同梱物は以下の通り。
- ストロボ本体
- ストロボケース
- ミニスタンド
- バウンスアダプター
- カラーフィルター
- フィルターケース
- マニュアル
- 保証書
フラグシップ機である、600EXよりも付属品が豪華ってどういう事なの……。
時代の流れですかねえ。
本体をチェック
さて、本体をチェックしていきましょう。
旧型と比べると、見た目はこじんまりと言うか、シンプルになりました。
余計な物を削ぎ落した感じですね。
ガイドナンバーは43。
照射角は24mm~105mm。
この辺りは、当たり前ですが旧型と違いはありません。
実際に旧型と並べてみました。
左側が430EX III、右側が旧型の430EX IIですね。
全体的に一回り小さくなり、背面のボタンも少なく纏められています。
液晶部も大きくなり、良く見るとミニスタンドの形も違うんですねえ。
重量は295g。
旧型の320gと比べると、25g軽くなっています。
軽くなるのは良い事だ!
操作系のボタンは、殆どが中央の電子ダイヤルに集約されました。
430EX IIIの操作は、殆どがこのダイヤルだけで済むようになっています。
ミラーレスやコンデジを使っている人にとっては、馴染み深い操作方法ですね。
配置さえ覚えれば、直観的に操作できるのが嬉しい所。
また、電源ボタンも600EXと同じくレバー式となり、誤作動防止にロックを掛けられるようになりました。
電池ボックスは従来と同じ形式。
600EXのように、ロックレバーはありません。
単三電池4本を使用。
エネループが使えます。
発光回数は旧型よりも少なくなっているようです。
首振り角度について
首振りの角度は、旧型とは比べ物にならない程使い勝手が上がっています。
まずは上に90度。
次に右側ですが、なんと!
旧型では90度までしか回転しませんでしたが、III型では180度……つまり、バッテリーグリップを装着した場合の縦位置撮影に完全に対応してきました。
素晴らしい。
では左側はと言うと、旧型では180度でしたが、こちらは150度にレベルダウン。
しかし、基本的にストロボは右側に大きく回転すれば問題ないので気になりません。
ちなみに完全に勘違いしていた訳ですが、私は右側が150度に改善したとばかり思っていました。
逆だったのですね(笑)。
回転角度その物を入れ替えてくるとは思いませんでした。
正直、この変更だけで買い替える価値があるのではないですかねえ。
ワイドパネルとキャッチライトパネル
旧型と同じく、ストロボ上部にワイドパネルが内蔵されています。
ワイドパネルを使うと照射角が広がり、35mm換算で超広角の14mmのレンズにまで対応できるようになります。
光も柔らかくなりますが、その分ガイドナンバーが減少し、フラッシュの到達距離が短くなります。
また、今までフラグシップ機にのみ付いていた、キャッチライトパネルがIII型に搭載されました。
外付けの様々なストロボディフューザーが発売されているので、絶対に必要な機能ではありませんが、余計なアクセサリー類を持ち歩く事なく、ストロボひとつで済ませられるのは嬉しいですね。
バウンスアダプター SBA-E2
430EX III-RT専用のバウンスアダプターです。
エツミ辺りから発売しているストロボディフューザーみたいですが、似て非なる物です。
これ自体にはディフューズ効果は殆ど無く、バウンス時の影を更に柔らかくする効果があるそうです。
また前方にも光が回るため、キャッチライトの役割も果たすとか。
この記事を書いてる時点では、試してないので良く分かりませんが(笑)。
本体にヘッドオン!
……やっぱり、ストロボディフューザー付けてるようにしか見えねえ……(笑)。
ちなみにこのバウンスアダプター、装着するとストロボ側でしっかりと認識してくれます。
ヘッドの裏側に小さいスイッチがあって、それで着脱を判断しているようです。
認識して、何がどう変わるのかは正直分かりません。
装着時の適切な色温度を、カメラ側に伝えてくれるとか、そんな感じではないですかねえ。
カラーフィルター SCF-E2
こちらもIII型専用。
カラーフィルターは600EXにも付属していましたが、扱いがデリケート過ぎて使い辛かったのですよね。
フィルター色は暖色のみとなりましたが、その分、取り扱いは楽になっています。
カラーフィルターは、白熱電球下で複数の光源下で撮影する場合、自然な色合いに調整してくれるアクセサリーです。
この色の場合は、タングステン光への対応ですね。
こちらも装着時に、ストロボが認識してくれるようです。
操作パネル
バックライトはグリーン。
旧型と比べると、液晶画面は随分と見やすくなっています。
表示もシンプルで、とても分かりやすくなっていますね。
600EXとは違い、ボタンが発光したりはしません。
まー、そこは流石に下位機種ですね。
光っているのは、PILOTランプだけです。
なお、ストロボのPILOTランプはボタンになっていて、押すとテスト発光が出来る事を最近知りました(マニュアル読めよ)。
まだまだ知らない事が、一杯あるのですねー(白目)。
電波通信対応
興味ない人には良く分からない、ワイヤレス発光機能。
ええ、私も最初はそうでした。
つまりは、カメラに直接ストロボ接続することなく、離れた場所でストロボ単体を発光させる事ができるようになる機能ですね。
利点は何なのか……と言うと、ストロボの発光位置をカメラ(真正面)から切り離し、自身の好きな場所で発光させられる事。
また、複数台のストロボを同時に発光させる事が出来るので、場所を選ばず、光を自在にコントロールする事ができます。
この機能を使用するには、マスターとなるストロボと、スレーブとなるストロボの最低2台が必要になります。
スレーブ……と言うと分かりづらいですが、命令を与える上司(マスター)と、それを実行する部下(スレーブ)、と解釈すると分かりやすいのではないでしょうか。
基本的に最低2台のストロボが必要になりますが、ワイヤレス発光を楽しむだけなら、最近の一眼レフにはマスターとして使える内蔵ストロボが搭載されている事が多いので、ストロボを1台追加すればワイヤレス発光を楽しむ事が出来ます。
しかしCANONのストロボは、その殆どが光通信……赤外線を利用してスレーブを発光させています。
つまり、マスターのフラッシュを光らせる事によって、その光に連動してスレーブが発光する訳ですね。
しかし光通信には欠点があり、炎天下や障害物に隠れる、受光部が反対側を向いている等、光が届かない状況だとスレーブが動作しない事態が発生する事があります。
特に屋外だと光の到達距離も短くなるため、思い通りに動作してくれない事が多々あります。
困りますね。
そこで2012年発売のフラグシップ機、600EXに搭載されたのが電波通信です。
電波通信では、その名の通り電波をトリガーにしてワイヤレス発光させる仕組みで、光のような指向性がないのが特徴です。
受信部が背を向けていたり、炎天下だったり、障害物に遮られていたりしても、問題無くスレーブが機能してくれます。
ワイヤレス発光を常用している人にとっては、とても嬉しい機能な訳ですね。
しかし600EXが発売されて以降、3台ほどストロボが発売されましたが、電波通信に対応したストロボは3年以上、この1機種のみでした。
冒頭でも書いた通り、当時の市場価格で約6万円(現在でも5万円以上)と高価なので、電波通信のために複数台揃えるのは厳しいものがありました。
また電波通信はカメラ内蔵のマスター機能は使えないので、600EXを最低2台、またはマスターとして『スピードライトトランスミッター ST-E3-RT』を用意しなければいけません。
高すぎですよねー。
そんな中、ようやく電波通信対応のミドルクラスのストロボが発売される事になりました。
それが、この430EX III-RTです。
前置きが長かったですねー。
430EX IIIは電波通信対応です。
勿論、従来通り光通信にも対応しています。
最大の利点としては、電波通信のマスターとしても使える事。
600EXは大きく重いですから、軽くて取り回しのしやすいストロボが使えるのは大きいです。
ただ、光通信のマスターとして使えないのは残念な所。
光通信のマスター機能があるストロボは、現状では90EXか600EXのみ。
トランスミッター ST-E2を使う手もありますが、ST-E3と違い、バッテリーがやや特殊なため専門店で購入する必要があります。
III型が光通信のマスターとして使えると、使い勝手は遥かに向上したのですけどねえ。
まだ本格的に使っていないため、ひとまず書ける所だけ書いてみました。
旧型から買い替える価値があるかと言うと……バウンスを多用するのであれば、首振りの仕様変更だけでも価値はあると思います。
まー、ストロボはどちらかと言うと買い増しになる訳ですが(笑)。
しかし、電波通信目的で無ければ、無理に買わなくても良いかなーと言うレベルです。
私は安価な電波通信対応機をじっと待っていた身なので飛びつきましたが、この2つの機能に用が無い場合は、新たに買う必要性は感じません。
とは言え全体的に機能、使い勝手は向上していますし、これからストロボを購入してみよう……と言う人には、素直にお勧めできるストロボだと思いました。
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