【日本一ソフトウェア】夜廻を買ってみた

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発表の時から気になっていたので、我慢できずに購入してみました。
日本一ソフトウェアのホラーゲーム『夜廻』です。
出荷数が少ないのか、それとも人気があるかは分かりませんが、市場の方では品薄のようで。
やっぱり、皆さん、気になっていたのですねー。

衝撃のチュートリアルから始まるこのゲーム。
いや、本当に衝撃的です。
怖いとかそう言うレベルじゃなくて、何てことさせやがる!
と叫ぶレベルの衝撃度。
やるじゃない……。

雰囲気は素晴らしい

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深夜の街の中を、幼い少女が懐中電灯の灯かりだけを頼りに、ひたすら彷徨い歩く。
暗がかりには何かが潜み、街灯の下には虚ろな目をした不気味な影が蠢く。
辺りには人間は誰もおらず、ただ無機質な機械の音や、何とも知れない鳴き声だけが響く。

 

と、言う事で、雰囲気は最高のゲームです。
非力な少女が、ひとりだけだからこその怖さですよね。

死にゲー&死にゲー

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しかし、じわじわと襲い来る恐怖なのかと思ったら違いました。
本作は死にゲーです。
デモンズソウルやダークソウルすら超える死にゲーです。
最初の頃は怖いですが、余りの死にっぷりイライラ度もMAX。

 

さて、なぜそんな事になっているかと言うと、殆どのお化けが、アグレッシブに少女を殺しに来るからです。
ゲームスタート時の時点でのお化けたちは足も遅いですし、大した脅威ではありませんが、2章辺りから様子が変わってきます。
出てきた時点で対処が難しい速度で、少女に襲い掛かってくる敵が増えてきます。
特に3章、6章のボスクラスのお化けのしつこさと、回避の難しさは異常なレベル。
私はこの2体だけのためだけに、100回以上は少女を血の海に沈めました。
真面目にファックです。

また初見殺しが異様に多く、シャドウゲートばりの死にっぷりは痛快の一言。
いい加減にせいよ?

そして覚えゲー

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なので、このゲームは覚えゲーです。
敵の出現位置や行動パターン、回避方法をひたすらリトライして頭と体に叩き込み、常に危険を避けて移動する事を心掛けなければいけません。
余りにも連続して死にまくるため、怖さと言う物を感じなくなり、非常に冷静になれます。
ホラーゲームとしては、これって致命的ではないですかね……?
まぁ、零もSIRENも、慣れてくると怖くなくなりますけどね……。

全体的な難易度は低い

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では、このゲームが難しいかと言うと、そうでもありません。
ゲームシステム的には、かなり優しい難易度になっています。
通常のこの手のゲームでは、ゲームオーバーになるとセーブ地点に戻されますね。
勿論、取得したアイテムやイベント等は全てセーブした時のままです。

このゲームも例外では無く、死亡した場合はセーブ地点へと戻されます。
しかし、取得したアイテムや消化したイベントが失われる事は無く、全てを引き継いだ状態で再開されます。
つまり、デスペナルティは無いも同然で、セーブ地点に戻されるだけなのです。

 

ただ、それが同時に欠点にも繋がっています。
先にも書いた通り、このゲームは完全な死にゲーです。
なので、欲しいアイテムがある場合、死亡前提で無理やり突っ込んで取得する……と言う真似が出来るようになり、そしてそれが当たり前になります。
そうなると、当然死への恐怖は薄らいでしまう訳で、全てが作業と化してしまうのです。
と言うか、後半はまさにそんな感じでした。
場合によっては、心が折れます。
いや、ホラーゲームに、そう言う難易度は望んでないからっ。

操作性は若干難あり

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主人公は幼い少女なので、素早くは動けません。
走るスピードも速くありませんし、走るのにもスタミナを消費します。
また、お化けに接近されると心拍数が上がり、走るためのスタミナを激しく消耗します。
まぁ、これは怖くするための演出ですし、大抵のお化けはそれで回避する事が可能なので、味付けとしては問題ありません。

 

しかし、ちょっと擁護できないのは、辺り判定の狭さ。
敵の辺り判定では無く、物への辺り判定です。
このゲームでは気になるポイントがあると、頭の上に『?』や『!』と言った、アイコンが出ます。
落ちているアイテムだったり、隠れられるポイントだったりですね。
しかし、その辺り判定が実に微妙で、当たる角度によってはアイコンが消えてまう事があるのです。
つまりどう言う事かと言うと、お化けから逃げていて「隠れられるポイントだー!」と、看板なりに接触してボタンを押そうとしたら、アイコンが消えてしまい殺されてしまう……と言うパターンを何度か経験しました。
流石にこれはイライラ。
もう少し、何とかならなかったですかねえ?

ゲームのボリュームは少ない

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このゲームをクリアするまでのプレイ時間は、およそ10時間程度と見ています。
しかし、これはリトライを繰り返した結果の話であり、一度も死ぬ事無く駆け抜ければ、3時間程度でエンディングまで到達できるのでは……と感じました。
他の方の感想を見る限り、全アイテムを取得までには大体20時間程。
勿論、自力で探しての結果でしょうから、全体でその程度のボリュームのゲームと言う訳です。
おまけらしいおまけ要素はなく、やる事と言えばアイテムコンプリートのみ。
正直に言ってしまえば、フルプライスだと割高に感じる内容ですね。
個人的な意見を言わせて貰えば、定価2,980円辺りが妥当なゲームだと思います。
せめてお化け図鑑や、用語解説があれば、もう少しマシな評価にもなったでしょうけど。

割と投げっ放しの世界観

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そして、このゲーム。
少ないヒントから、どういう世界観なのかをユーザーの想像力に任せている所が多々あります。
特にエンディングは顕著で、割とユーザーを置き去りにしていると思います、はい。
私は断片を掻き集めて、ある程度の考察を立てる事は出来ましたが、かなり投げっ放しな仕上げ。
ホラーゲームなので、謎は謎のままでも良いとは思いますが、もう少し詳しい解説があってもいいのではないですかね?

 

ひとつだけ書くとするなら、『お姉ちゃん』は過去に、主人公の少女と同じく『夜廻』を経験している事実がある事。
話の根底は、恐らくはここにあるのでしょうね。
しかし各所に散りばめられた伏線は、大体は解説されないので、結局はユーザーの想像力に任せっぱなしです。
そう言うのを皆で考察するのも、楽しいのでしょうけど、ね。

このゲームは買いか?

取り敢えず、夜廻の感想はこんな所です。

雰囲気は良い物の、基本的には即死ゲー。
死亡によるリトライの時間を除いたら、フリーゲームに毛が生えた程度のゲームボリューム。
ストーリーは割と投げっ放しで、しかも後味の悪い終わり方。

大まかに纏めると、この3点で絞られるでしょうか。
健気な少女には感情移入もしてしまうのですが、いかんせん話が重い。
どうして、この子がこんな目に……と思ってしまいます。
ホラーゲームは得てしてそういうものですけど、ね。

取り敢えず、私は割と楽しめました。
少なくとも、楽しめないようなゲームではありません。
即死ゲーも、工夫すれば突破できるので、理不尽と言う程でもないですしね。
しかしプレイしてみて、割高なゲームだと思った人たちは、かなりいると思います。
他の人に勧められるかと言えば……価格を考えると、ちょっと躊躇してしまいますね。
色々と惜しいゲームだとは思いました、はい。