【映画】貞子VS伽椰子を観てきた

2024年7月10日

何か、今月と来月忙し過ぎませんかね……?
更新する時間がとれないのですがががが。

私の状態はともかく、どう考えてもギャグ映画にしかならない、最恐対決を観てきましたゾー。

日本のホラー映画を代表する(と思う)、貞子と伽椰子の激突です。
VS!
いいですね、VS!
世紀の対決とかワクワクしますよね。
大体、駄作になるわけですが(ボソッ)。

結論としてはどうなの?

さて、色々書く前に、この映画の総評を先にしておきましょう。

どう考えてもホラーコメディのこの作品ですが、意外とホラーしていて、そこそこ楽しめます。
各オリジナル作品を知っている人にとってはホラー感が全然足りないでしょうが、初めて見る分には十分に恐い思いが出来るのではないでしょうか。
しかし中盤以降はその恐さも薄れ、色々な意味でコメディ色が強くなっていきます。
貞子や伽椰子の根本となる設定や、世界観その物まで変更されているので、オリジナルが好きな人はガッカリするかも知れませんね。

ストーリーの展開はやや冗長で、悪霊の出るバランスも悪い感じがします。
と言うよりは、貞子がメインで伽椰子はおまけのような感じでしょうか……。
また、この場面なら明らかに警察とか介入してくるだろー、と言うような場面も普通にスルーされたりするので、色々とモヤモヤ。
逃げなきゃいけない場面で、とにかく逃げない登場人物たちに更にモヤモヤ。
ついでに登場人物が少なすぎる感が強いです。
ほぼ主要人物しか出てきませんからね。
すっきりしていて分かりやすいと言えばそうかも知れませんが、物語としては色々と不自然です。

面白いと言う人と、つまらないと言う人が別れるのは、その辺りが理由ではないでしょうか。
私自身は面白く見れましたが、内心イライラとする場面も少なくなかったと思いました。
10点評価なら、5~6点の作品といった所でしょうか?
当サイトの評価としては、そのぐらいです。

さて、ここから先はネタバレを含んでますので、嫌な方は回れ右をして下さいねー?

おおまかなあらすじ

大学の親友である夏美に、両親の結婚記念日が映ったVHSをDVDにダビングして欲しい……。
そう頼まれた有里は、リサイクルショップで600円のビデオデッキを購入した。
しかし、そのビデオデッキの中には、古びたビデオテープがセットされたままになっていた。
有里は嫌がる夏美を尻目にビデオを再生してしまうが、SNSへの返信に気を取られ、結局夏美だけがビデオを全て見てしまう。
ビデオは本物だ……。
そう確信した有里たちは、都市伝説について講義していた、大学教授の森繁に呪いを解く方法はないか相談しに行くのであった。

一方、鈴花は父親の仕事の都合で突然引っ越しをする事になった。
しかし、引っ越し先の隣家は幽霊屋敷として有名な建物だった。
その家に引っ越してきた数々の家族が、全員死んでいると言うのだ。
霊感が強い鈴花は、少年の幻や、自分が隣家の中にいる幻覚を見るようになる。
ある日、隣家の前で4人の小学生と出会うが、その後、小学生が4人行方不明と言う話を耳にする。
隣家で少年の姿を目にした鈴花は、少年を助けるために『呪われた家』に足を踏み入れてしまう……。

大体こんな感じでしょうかねー?

大幅にパワーアップした貞子

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画像は公式のものです。
パラメーターを見た瞬間に吹き出したのは秘密(笑)。

今作の貞子は、色々と設定が変わっています。
まず、貞子のバックホーンとなる部分については、作中では一切語られません。
『呪いのビデオを見ると、貞子に呪い殺される』
これだけですね。

オリジナルでは呪い殺されるまでに1週間かかりましたが、今作では2日に短縮。
また、どうやらビデオを見た人間の体内に憑りついているようで、お祓いなどで邪魔する人間を操って殺す能力も身に付けたようです。
呪われた人間が自殺しようとしたら、期限前でも殺しに来たりもします。
かなりアグレッシブになっていますね。
じわりじわりとなぶり殺しにするのは止めた模様。

呪いの解決方法については噂程度になっていて、どうやら今作に限っては解決方法はない模様。
どうあがいても絶望。
この辺りについては、伽椰子が即効性の呪いのため、それに合わせて設定を変えたのではないかなあ……と邪推しております。
即死VS1週間では、対決も何もないですからねー。

パワー溢れる伽椰子

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対する伽椰子は近距離パワー型。
『腕力の強さは霊界トップクラスか』
の1文に声を上げて笑い、この映画を観に行く気になった切っ掛けでもあります(笑)。

私は呪怨を見た事がないので、伽椰子に関してはあらすじ程度の事しか知りません。
しかし『呪いの家』に入った者を、アグレッシブに腕力に物を言わせて殺しに行く、呪いだか何だか分からないパワフルな悪霊と化しています。
多分、こちらも設定変わってるよなあ……?
本来は家の外でも自由に行動できるようなのですが、今作では家の中だけで全て完結してしまっています。
呪怨の話を見る限り、こちらは劣化してませんかね……?

また家の中に引きこもっている関係で貞子に比べると出番が少なく、登場比率7:3程度の比重になるでしょうか。
元々全体時間からみれば、貞子も登場時間は短いので、そのしわ寄せを受ける伽椰子さん。
更に出番や見せ場の大半を俊雄に持っていかれている関係で、その姿から与えるインパクトにしては、どうにも印象が弱い感じです。
貞子愛に傾倒しすぎじゃないですかねえ……?

大活躍の俊雄

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伽椰子の息子である俊雄は「にゃああああ」が口癖の近距離パワー型。
作中でなぜ猫のように鳴くのかは語られないため、初めて見る人には「なにこいつ……」と言う印象を与えるとか与えないとか。
……予習しておいて良かったなあ……(しみじみ)。
伽椰子のどんくささと比較すると、実に俊敏なキレッキレの動きを持ちます。
主に上から襲い掛かるのが好み。
小学生をデストロイしたり、鈴花の父親をお持ち帰りしたりとキルマークは貞子に匹敵するほどの大活躍。
しかし伽椰子もそうですが、犠牲者が生きている状態でお持ち帰りしてしまうので、怖さが足りない。

彼が最も光る場面は、鈴花の父親の首のストレッチでしょう。
みょいーんと伸びるよ!
不覚にも映画館で吹き出す所だったぜ……。

ある意味元凶の森繁教授

貞子キチの大学教授です。
「貞子に逢いたい」と、有里が持ってきた呪いのビデオを自分で見て検証しちゃう辺り、逝ってる度が凄まじいですね。
しかも、そのビデオを同時にデジタル化して保存しちゃうなんて、なんつーことしてるんだこのおっさん!
と視聴者から総ツッコミを受けていたと思います。

有里たちを知り合いの霊能者に紹介してお祓いを受けられるようにお願いした段階までは良いのですが、自分は貞子を見たいからお祓いいらないっすwwwwと言っちゃうマジキチ度。
なお、貞子に会う前に殺されてしまった模様。
無駄死にですね。

ともかく、彼がいなければ、世界はもっと平和であったはずです……はずですよね?(笑)

 

チート霊能者の登場

物語の中盤で、経蔵と言う凄腕の霊能者が登場します。
相棒の珠緒と共に態度が悪い物の、それに見合った実力を持っているようです。
「シュシュ!」と印を切っただけで、俊雄も貞子も追っ払える程度の能力。
世界観が完全に変わっちゃってませんかね?
和製ホラーは、この瞬間から能力バトルへと変更されました。

「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ」
と、最大級の呪いである貞子と伽椰子をぶつけて消滅させる提案をしたのもこの人。
お蔭で、この世紀の対決が実現されたので感謝しなければいけませんね。
現実は最悪の結果でしたけど。

呪いのビデオ、インターネットで拡散される

死の恐怖で錯乱中の夏美さん、森繁教授がDVDへとダビングした呪いのビデオを、何と、インターネットにアップしてしまいます。
道連れが欲しかった模様。
そもそもビデオのままなら自然消滅したであろう貞子の呪い。
デジタル化しちゃう森繁教授もアレですが、そもそもいつ、そのDVDを持ち出してきたのかが分からない夏美さん。
やったねタエちゃん、仲間(死人)が増えるよ!
世界中で呪いのビデオが拡散とか、どうすんだよ……。
貞子さん、過労死しちゃう!

最強貞子伝説

有里に憑いた貞子と、鈴花に憑いた伽椰子との対決!
遠隔操作型の貞子と、近距離パワー型の伽椰子。
何か幽波紋を彷彿とさせますが、実はスタンド対決だった……?(違)
肝心の対決シーンですが、話の終盤どころか、最後の5分程度にちょろっと激突しただけと言う、何ともすっきりしない話です。
30分ぐらいはやりあってくれると信じていたのに……。
何と言うか、対決がおまけ扱いとかどうなのよ!

貞子も伽椰子も、呪った相手は絶対に自分が殺したいようで、互いに足を引っ張り合うのに俺氏苦笑。
俊雄?
貞子が出てきた瞬間に秒殺されて、以後出番がない奴の話はどうでもいいです(いや、最後に普通に出てきますけどね?)。
引きこもりの伽椰子と違い、ビデオを見た者や邪魔をする者をアグレッシブに殺しに行ける今作の貞子さん。
切り落とされた髪の毛のみで伽椰子を追っ払ったり、霊能者相手に無双するなど、その強さ極まっています。
対する伽椰子の方も貞子に負けないぐらい無双できる能力を持っているはずなのですが……やっている事が近接物理攻撃だけなので、貞子と比べるとインパクトが薄いです。
俊雄も役に立ちませんしね……。

それにしても、やっぱり貞子さん強すぎませんかね?
俊雄を秒殺するのは勿論の事、伽椰子が登場後に一度お持ち帰りされるものの、その後は何事もなかったように一睨みで伽椰子を爆殺四散。
貞子の目って、悪霊相手にも有効なのね……。
まー、この方々は悪霊なので、爆散しようが何事もなかったようにすぐに出てくる訳ですが(笑)。
ともかく、貞子にのされる場面が殆どです。
でもダメだ、それではダメなんだ!

貞子さん、猛ダッシュをする

相打ちを狙った直接対決でしたが、貞子さんが強すぎたため、最後の手段である井戸への封印に切り替えます。
しかし封印するには、ひとりを犠牲にする必要があります。
そこで名乗り出たのは有里。
自殺をしようとすると、そんな事は許さないわ! と殺しに来る貞子さんの習性を利用して、最強のスタンドを召喚。
それは私の獲物よ!
とばかりに、何度のされても挫けず姿を現す伽椰子さん。
この時点で何と言うか既にギャグにしかなってませんが、突然両者が有里目がけて走り出した時は笑いを堪えるのに必死でした(笑)。
てか、貞子さん、伽椰子とスピード変わらないじゃないですかwwww

究極生命体誕生

有里が井戸に飛び込んだ瞬間、貞子と伽椰子が衝突し、爆散しました。
ドラゴンボールか何かですかね、これは?
経蔵の目論見通り、貞子と伽椰子は井戸に封印されます。

しかし、その封印を吹き飛ばして登場したのは、貞子と伽椰子が融合した究極生命体(?)。
どうもこの二人、意気投合してしまったようです
まさかの百合展開に唖然とする主人公たち。
何と言うか、もう好きにしてくれ(笑)。
どうすんの、この究極の呪い?

不満点など

とまぁ、貞子VS伽椰子はそんな映画です。
かなり適当に記事を書いているので、ますます分からなくなったかも(笑)。
話を纏めるのは苦手なのです、ごめんね?

では不満な点をつらつらと。

一番は、やはり対決時間が短いと言う事でしょう。
もっと腕力や超能力を駆使した戦いになるかと思いきや、結構地味でしたからね。
片方が獲物に襲い掛かる→やらせるか! ぐらいの流れは欲しかったですね。
VS物って、結局は共闘が多くて、いまいちすっきりしませんよね……。

二つ目は、やはり警察が一切介入してこない事。
過去に貞子の事件が複数起こっているなら、同じ状況の不自然死が発生した時点で捜査陣が動き出すと思うんだけどなあ……。
思うだけで、実際に警察が動いたりするかは分かりません。
異様な死に様ですけど、病死とか判定されたりしてるのかも知れませんしね。
まー、収録が難しいので、その辺りはカットした、と思う事にします。

三つめは、機械に弱い夏美が、動画をインターネットに自分でアップロードした事。
本人が機械に弱いから有里に頼んだのに、その設定はどこにいったのですかね?

四つ目は貞子が強すぎる事。
終始貞子が伽椰子を見下ろしている感じの強さ。
出番の多さもそんな感じで、伽椰子は本当におまけ臭い感じが消えませんでした。
互角の戦いが展開的には良かったと思いますが……。

何はともあれ、貞子VS伽椰子はホラー映画ではありません。
この映画は、コメディホラーです。
細かい事は気にせず、笑ってみてあげるのが正解だと思います、はい。

映像映画

Posted by 対月