【PC】27インチ WQHD IPSパネルのゲーミング液晶モニター『ASUS TUF Gaming VG27AQL1A』を買ってみた

 

VG259Qを購入してから3ヵ月が経過しました。
レビューしたのはつい最近ですけれどもね!
モニター自体には満足していますが、マルチモニターとして使っているSX2262Wと比べると、色合いの差が気になります。
色合い的には写真編集用のモニターであるSX2262Wの上ではあるのですが、経年劣化によって画面全体がかなり黄色くなってきてるのですよね。
そのため、調整をしても綺麗な白色を出すことができず、それゆえに隣の新品のモニターとの格差が気になってしまう訳です。

なので!
更に新しくモニターを投入する事にしました。
私は購入する時は、まとめて揃えるタイプだ!(おかげで金欠)

 

さて、マルチ環境にするなら同じメーカーで同じ型番のモニターに良いのですが、以前から気になっているのがWQHD。
WQHDとは『Wide Quad High Definition』の略で、2560×1440と言う、1920×1080のFHDよりも解像度が上のモニターです。
世間的には2kと表記されることもあるようですが、FHDも2kなので、正確な表記にはならないのですよねえ……。
4kどころかFHDのテレビも導入が難しかった私の部屋では、高解像度のモニターはまさに夢のような話ではありましたが、ベゼルの小型化により32インチクラスのモニターでも十分配置できるようになった訳です。

 

それはさておき、ゲームをする上でも解像度が高い方が綺麗ですし、通常用途でも作業領域は大幅に広がります。
私のPCはRTX3070と言う、高リフレッシュレートにこだわらなければ4kの3Dゲームでもプレイ可能なGPUを搭載しています。
……が、さすがに快適にプレイとは言い難いようですし、37インチクラスでないと文字もかなり小さくなるとの事で、WQHDをメインモニターとして投入する事にしました。

心配したのが27インチのモニターを私のPCデスクに設置できるかどうかでしたが、試しに購入してみた24.5インチのVG259Qが思った以上にコンパクトだったため、一回り大きい程度の27インチクラスなら問題なく投入できると判断。
そうして選んだのは、同じASUSのVG27AQL1A。
日本では昨年の12月に発売されたばかりの新機種です。

 

物が大きすぎて、すでに撮影ブースに入りきらないし、積載量もヤバ気なため、泣く泣く廊下での撮影です。
廊下は物に溢れていて、可能な限り修正しましたけど、細かいゴミも多い上に色々写り込んでるし光も回せてないのでごめんね!

 

 

と言う訳でパッケージです。
VG1Aシリーズとだけ表記されているので、パッケージからではシリーズのどちらかは判断付きません。
ちなみにVG27AQ1Aと、今回紹介するVG27AQL1Aの違いは、

  • 最大輝度の高さ
  • USBポート(3.2)の搭載
  • 消費電力
  • スタンドの高さ調整、スイング機能の有無
  • スタンドの構造の違いによる総重量

だそうですが、そもそもVG27AQ1Aは日本未発売のため気にする必要はなさそうですね。
なお、総重量以外は全てにおいてVG27AQL1Aが優れています。

 

 

パッケージを開封すると、まず目にするのはケーブル類。
この辺りは同じメーカーだからか、同じシリーズのモニターだからか一緒ですネ。

 

 

ベロの部分に、簡単な取り付け方法、スタンドベースの取り出し方などが記載されています。
これもVG259Qと一緒。

 

 

モニターはこんな感じで収まっています。
緩衝材に結構キチキチで入っていますので、取り出す際には倒したりしないように注意しましょう。

なお、付属品はVG259Qとほぼ同じです。
ACアダプターが若干大きくなっていますが、それに加えてUSB3.0 Type-B/Type-Aのケーブルが付属しています。

 

 

ベース部。
V字型で、すっきりした印象を受けます。
足の間に、何か物が置けそうなスペース感は良いと思います。

 

 

モニター側にあるスタンドアームの底部を、

 

 

ベースの穴に合わせて左方向にひねる事で固定できます。

 

 

後は、ベース底部からネジを2本使って完全に固定してあげればスタンドの完成です。
……絨毯の上に置いたのに、すでにゴムの部分が埃まみれだな!

 

 

こちらが完成品のVG27AQL1Aになります。

27インチのノングレアIPSパネルを採用。
解像度は2560×1440と、FHDの1.8倍の作業領域を誇るWQHD。
sRGB 130%、Adobe RGB 88%、DCI-P3 95%をカバー。
10bitカラー(約10億7374万色)に対応。
HDR10、DisplayHDR400標準に対応。
リフレッシュレート最大170hに対応。
ELBMによる応答速度1ms(MPRT)を実現。

と言う、もはや何でもありのモニターであります。

モニター本体のみのサイズは幅615 x 高さ367 x 奥行き51mm。
27インチだけあってサイズは大きくなっていますが、奥行きはなんと……VG259Qと同じです。
手にしてみると大きいですが、実際に設置してみると目前に置くには実に良いサイズなんですよね。

モニター本体の重量は4.3kg。
スタンド込みの総重量は9.0kgになります。

 

 

リフト機能は130mm。
この辺りはVG259Qの仕様と同じようです。
ただ、スイング機能は左右に20度ずつと、VG259Qと比べるとかなり動きが制限されています。

 

 

また、チルト機能も上向きが20度、下向きが5度と、上向きの角度は少なくなっているようです。
とは言っても、この辺りはモニターアームを導入してしまえば、問題なく解決できますから問題にもならないでしょう。

もちろん、縦置きであるピボット機能もあります。
写真は勘弁して……('A`)。

 

 

インターフェイスのアクセスはお馴染みの背面下から。

左から、

  • DC IN
  • HDMI 2.0
  • HDMI 2.0
  • DisplayPort 1.2
  • 3.5mm ヘッドホン端子
  • サービス専用端子(ユーザーには関係なし)
  • アップストリームUSBポート 3.0(Type-B)
  • USBポート 3.0(Type-A) ×2

となっています。

DisplayPort 1.2とHDMI 2.0を採用し、WQHDと言う解像度でも双方でリフレッシュレート144hzまで対応しています。
VG27AQL1Aは最大170hzまで対応していますが、オーバークロック機能を使用する必要があり、DisplayPortのみの対応となっています。
HDMIで170hzは出せないので注意して下さい。

また、モニター付属のUSBポートもあるので、PCや電源と接続して色々な使い道が想定されます。
何にしても、USB 3.0対応なのは嬉しい所。

 

 

コントロールパネルは、VG259Qと同じくモニター右側背面に搭載。
上から順に、

  • 5方向操作スティック
  • 終了ボタン
  • GamePlusボタン
  • GameVisualボタン
  • 電源ボタン

となっていて、基本的な操作方法はVG259Qと全く同じ。
ボタンも比較すると、かなり押しやすくなっています。
ただ、どれがどのボタンに該当するかは手探り状態ではパッと判断はできないので、今後の改良に期待したい所です。

 

 

外枠は1mm程度と一見非常に薄くなっているようにも見えますが、実際は液晶の黒枠があるためベゼルは約8mm。
VG259Qとほぼ同じですね。
取り出した際にベゼルが薄かったのを見てちょっと期待したりもしましたが、外枠一杯までの画面表示……と言う訳にはいかなかったようです。
スリムと言うほどスリムではないんですねえ。
一応、枠一杯まで表示されるモニターも実際にあるっぽいのですが、そこまで行くとスリムベゼルではなくベゼルレスではないかと思わないでもないです(笑)。

 

 

スタンド裏側には、ケーブルを通すためのスリットが用意されています。

 

 

スタンドとモニターの接続部は、VESA100mm × 100mmに対応。
当然の事ながら、我が家ではモニターアームにチェンジです。

 

作業領域の拡大は素晴らしい

 

早速電源を投入してみました。
右側が27インチのVG27AQL1A、左側が24.5インチのVG259Qです。
こうして並べてみると、それほどサイズ差は気になりませんね。
むしろVG259Qの代わりに、もうひとつWQHDのモニターでも並べられそう。
32インチぐらいまではいけそうな感じはしますね。
そして、一番の懸念だったドット抜けもないようなので一安心です。

 

さて。
まず試してみたいのは、もちろん解像度の向上による作業領域の拡大です。

 

 

こちらはFHDに色々とウィンドウを敷き詰めて、そのままスクリーンショットとして撮影したものです。
FHDだとウィンドウが大きく重なってしまっていますが、これら全てをそのままの位置関係でWQHDに移動させてやると……。

 

 

こうなります。
びっくりするレベルで作業領域が違います。
これだけ余裕ができると、色々な使い方が想定できそうですね。

ちなみにWQHDの作業領域はFHDの約1.8倍。
数字だけで表示されてもイマイチ実感はできませんが、こうして比較してみると明らかな広がりを感じる事ができますね。
FHDって随分と狭かったんですねえ。
4kのモニターはこれ以上だと言うのだから、実に期待が膨らみます。

とは言え、高リフレッシュレートで4kの力を最高画質で発揮するには、現行最強のRTX3090ですら力不足と言う事ですから、時期尚早なのは間違いありません。
将来的にはともかく。現段階ではWQHDがベターな選択と言えるのではないでしょうか。

 

 

ゲームを起動してみても、FHDに比べるとはるかに繊細で美麗。
その分、マシンパワーを食うのが難点ですね。
ただ先にも書いた通りRTX3070なので、それなりに重いゲームでもリフレッシュレートを犠牲にすれば最高画質でも問題はなし。
高解像度のモニターを使って、画質の設定を落とすとか本末転倒ですからね。
リフレッシュレートが欲しい時は、VG259Qでプレイするのが一番でしょう、多分。

 

OSDメニューについて

VG259Qで一通り紹介しているので、ここは簡単に。

 

 

VG259Qから増えていたり変化している項目は以下の通り

  • オーバークロック
  • OverDrive
  • ダイナミック調光
  • HDR
  • スナイパーモード(GamePlus)

簡単に解説すると、それぞれ以下の通り。

『オーバークロック』は、リフレッシュレートの調整機能。
『OverDrive』は、応答時間の短縮化機能。VG259Qでいう『Trace Free』。
『ダイナミック調光』はローカルディミング(LEDの部分駆動)の事……らしい!(良く分からない)。
『HDR』は輝度の表現を広げるハイダイナミックレンジ
『スナイパー』モードは、画面の一部(中心部)を拡大して表示できる機能。

 

では、VG27AQL1Aの特徴を掻い摘んで紹介していきましょう。

 

リフレッシュレート170hzに対応

本モニターはDisplayPortのバージョンが1.2のため、通常の最大リフレッシュレートは144hzに設定されています。
しかしオーバークロックモードを適用すると、最大170hzでの駆動が可能となります。
最近ではよくあるモニターの仕組みみたいですね。
ただし本来は規格外のため(機械に無理をさせている)、チラつき等が発生する可能性もあるそうです。
その場合は、オーバークロックをOFFにするか、170hz以下に設定するとチラつきがなくなる場合があるようです。

 

内蔵スピーカー搭載……ですが

モニターには2 × 2Wのスピーカーを内蔵されています。
されていますが……音質はゴミ&ゴミの模様。
実際に再生してみたら正直、愕然とするレベル。
iPhoneの方が音質が良いとはどういうことなの……。
少なくとも、外付けの1000円のスピーカーを用意した方が遥かにマシになるのは確かです。
あくまでも、別のスピーカーを用意するまでの繋ぎとして考えるのが良さそうです。

 

PS5にも対応

VG27AQL1AはPS5に対応しています。
PS5自体は現時点ではFHDと4kのみの対応で、WQHDには非対応となっています。
つまりWQHDでPS5非対応のモニターでは、FHD/60hzの解像度でしか出力できないことになります。

しかし最近のモニターにはFHD出力をWQHD解像度に変換するアップスケーリング、4k出力をWQHD解像度に変換するダウンスケールする機能が備わっています。
PS5は所持してないので実際に試した人たちの話で恐縮ですが、4k/60hz、FHD/120hz出力が実際に可能だとか。
画質も4k設定であれば、明らかにFHDと違い緻密な表現がされるようなので、問題なく表示できているようです。
VG259QはPS5に非対応(60hzで表示は可能)でしたが、4kモニターではないものの、このモニターも購入選択肢に入れても良いかも知れませんね。

ちなみにPS5は4k/120hzの出力が可能ですが、現状4k/120hzに対応しているテレビやモニターは殆どありません。
そこだけは注意しましょう。

 

10ビットカラーに対応。ただし……

本モニターは10bitカラーに対応しています。
8bitカラーは約1677万色を表現できます。
では10bitカラーはどうかと言うと、こちらは約10億6433万色を表現可能です。
ゲーミングモニターなのに凄いですね……。

ただ問題もあります。
DisplayPortが1.2のため、リフレッシュレートが120hz以下でないと10bitカラーを出力できないのです。
つまり、10bitカラーと144hz、そして最大の170hzは両立できない事になります。
その辺りの制限があるからこその本体価格だとは思いますが、残念な話ではありますよね。

 

HDR400に対応

VG27AQL1Aはハイダイナミックレンジに対応しています。
ランクとしては一番下のHDR400にはなりますが、モニターの輝度の表示範囲を広くする機能だと思ってもらえば良いかと。
ようするに映像では暗すぎたり明るすぎたりすると、黒潰れしてしまったり白飛びしてしまったりと破綻してしまいますが、それをディティールを残したまま表示できる明るさの範囲が広くなると言う事ですね。
つまり、日差しの強い場面や雪景色などに強くなる……と言う訳です。

ただ、HDRは1000がスタートであり、HDR400はHDRっぽいもどきと評されてたりもします。
モニターの完成度によっても違うらしいですが、効果はそれほど実感できないようですね。
ただ、私もHDR対応のモニターやテレビは使ったことがないですし、対応のゲームなども所持していないことから、実際に体験できていないのが残念です。

 

Adaptive-SyncとELMBを同時に有効化可能

Adaptive-Sync/FreeSync』とは、フレームレートとリフレッシュレートのズレによる画像の乱れを抑える技術です。
テアリングと呼ばれる現象で、空間が断裂したように映像がズレて表示されてしまうのですが、それを正常に表示するための機能ですね。

Extreme Low Motion Blur Sync(ELMB)』はASUS独自の技術で、バックライトの強制点滅により、黒フレームを挿入する事によって残像を抑える事ができます。
つまり、画像ブレが少ないキレッキレの映像が実現できます。

VG259Qではどちらか片方しか有効化できませんでしたが、VG27AQL1Aでは何と……両方とも有効化が可能です。
テアリングによる映像のズレを抑制しつつ、キレッキレの動きが楽しめるようになると言う何と素晴らしき。
どちらにしようとか、悩まなくて済みますね。

 

まとめ

WQHDの全部入りと言う、非常に贅沢なモニターです。
ただ日本では新発売のモニターですが、海外では少し前に発売されていたと言う事もあり、現在では同社を含め、他社でも同格以上のモニターがいくつか発売されています。
そのため、積極的にお勧めできるモニターではなくなっています。
その辺りは、要検討……と言った所ですね。

 

問題発生

あまり関係ない話なので書くか迷いましたが、書き記しておきます。

 

製品には満足していましたが、問題が発生しました。
モニターを設置して僅かに9日。
画面が突如映らなくなりました。
バックライトは点灯しているようですが、肝心の映像が表示されません。
初期不良化どうかはちょっと怪しいですが、間違いなく不具合と言う奴だね!

最初は背景真っ黒の状態のサブモニターの方でマウスカーソルが動かせるだけで、一切の入力ができなくなったので、PCの故障かと思って焦りました……(苦笑)。
PCの方は(一応)モニターとして認識しているようで、マウスカーソルも真っ暗な画面の方に移動はできますが、だからどうしたと言う感じですよね~。

 

最初はASUS公式サポートのチャットで相談してみたのですが、調査だけでも1週間、修理や交換となるとやはり2~3週間はかかるとの事でした。
高解像度のマルチモニターに慣れ切った体で、それだけの日数を待つのはちょっと辛い。
そこで思い立ったのが、購入元に相談してみる事。
今回は在庫のあったAmazonでの購入だったので、それなりの日数は経っていますが一度相談してみる事にしました。
電話だと言いたい事を伝えるのに時間かかりそうなので、こちらもサポート機能のチャットでの相談です。

その結果、僅か数分、2~3のやりとりで不具合と認められ、返金か同じ商品と交換かを選べることになりました。
製品は気に入っているので交換をお願いした所、その場で事務処理されて翌日には新しいモニターが手元に届きました。
翌日ですぞ!
Amazon凄い!
高価な家電等は家電量販店派でしたが、ちょっと揺らぎそうです(笑)。

 

で、なんですが。
届いた交換品のVG27AQL1Aですが、メニューを開いてみた所……。

 

 

ん……?
『VG27A1A』と表示されてるぞ……?
調べてみても、同型番の製品が見つかりません。
ひょっとして、違う製品なのか……?
いや、でもモニターのシリアルナンバーの所には『VG27AQL1A』と表記されているな……?

とか悩んでいたら、知人が調べてくれました。
どうもA1Aがもともとの型番で、AQLはUSA向けの型番っぽい?
取り敢えず、物自体は間違いなく『VG27AQL1A』のようです。